第9回アトピー座談会
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| 「アトピー性皮膚炎の食事制限について」 |
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出席者
森田皮フ科クリニック院長 森田 茂
皮フ科森田クリニック院長 寺西好治
皮フ科森田クリニック医師 安藤葉子
森田皮フ科クリニック婦長 横山正子(司会)
皮フ科森田クリニック婦長 日置美幸
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【要約】
食品アレルギーの原因として多いものには、卵白・牛乳・大豆などがありますが、検査で陽性に出ているというだけでは本当の原因であるかどうかは判りません。慎重に1品目づつ本当に原因であるのかどうか確かめた上で食餌制限をしましょう。
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| (司会)本日はアトピー性皮膚炎と食餌との関係についてお話を伺いたいと思います。まず食餌制限についていかがですか。 |
| (森田)食餌制限と言いますと、アレルギーを引き起こす原因は何でもかんでも厳しく制限するという印象を持たれている方もみえるかと思いますが少し違うような気がします。 |
| (安藤)私もそのような印象がありまして、アレルギーが陽性の食物だからと言って、必ずしもアトピー性皮膚炎の症状をひどくするものでない事をよく経験します。しかし実際お母さん方がこれを食べると子供がひどく痒がるとか、症状がひどくなると言われる場合には注意すべきだと思います。 |
| (司会)どのような食物がアレルギーの原因になることが多いのでしょうか。 |
| (森田)その前に一般的に広く言われれていることですが食品アレルギーが強くアトピー性皮膚炎に関与してくるのは概ね2才前後までだろうと考えられており、以後の年令では次第にハウスダストやダニ・カビなどの環境因子が強く関与してくるものと考えられています。 |
| (司会)それでは具体的にアレルギーの原因となる食物はどんなものでしょうか。 |
| (寺西)採血で調べられるものには卵白・卵黄、牛乳・チーズ・カゼイン等の乳製品、豚肉・牛肉・鶏肉等の肉類、カニ・エビ・マグロ・サケ・サバ・イカ・タコ・アジ・イワシ等の魚貝類、小麦・大麦・トウモロコシ・米・ソバ等の穀類、ピーナッツ・大豆・アーモンド・カカオ等のナッツ類、オレンジ・イチゴ・リンゴ・キウイ・メロン・マンゴー・バナナ・ナシ・モモ等の果物、トマト・ニンジン・ジャガイモ・タマネギ・タケノコ・サツマイモ・セロリ・ホウレンソウ・カボチャ等の野菜、その他ゴマ・ビール酵母・マスタード等があります。 |
| (安藤)食物としてアレルギーの原因として多いものには卵、特に卵白・牛乳・大豆などがあり、それらを使用した食品にも気をつける必要があります。年令が大きくなってくるとこれらの食物に対するアレルギーにも変化が起こり、お米や小麦・大豆などに対する反応がみられるようになります。 |
(司会)実際に食餌制限はどのように指導されていますか。
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| (寺西)臨床上よほど強く症状と関係がありそうな場合はそれなりの食餌制限は必要かとも思いますが、年令が大きくなると食品アレルギーの患者さんが減ってきて、環境に対するアレルギーが多くなってくることを考えると現実的には食品に対して”慣れてくる”現象がかなりおこっていることが考えられるので、それほど厳密な食餌制限が必要かどうか疑問に思います。このような食品に対する免疫学的寛容、すなわち”慣れ”がある程度期待できること、様々な食品により得られる豊かな食生活を失ってまでもチャレンジする必要があるのかというのが私の考えです。少なくともIgEの検査で食物が少し高値になっているというだけで「食べてはだめ」と決めつけるのは早計であり、医師の方ももしそういう指導をしておられるならあまりにもアレルギー性疾患について不勉強だと思います。よく他院で「あれもだめ、これもだめ」と言われてその通りやったけれど症状は一向に良くならなかった。」という話を聞きます。結局見当はずれの食事制限をやっていた訳で、食事制限をするなら計画的に原因食物を一つ一つ確かめながらやって貰いたいですね。少なくとも検査で出ているからと言って一方的に全部原因だと決め付けて制限するようなやり方は通用しませんね。私共ではどうしても食物が原因だと考えられる場合には1品づつ食餌から抜いてそれが本当の原因であるかどうか確かめながらやっています。また慣れを試みるためには少量づつの投与から始めます。実際の指導の一例ですがスープなどで薄いものから始めて少しずつ慣らしていく方法なども試してもらっています。 |
| (安藤)確かに子供の成長を考えると、過度な、あるいは不必要な食餌制限は問題があるでしょうね。最近では低アレルギー食品、例えばスープ・お米なども市販されていますので、こうゆうものも使用してみるのもよいかと思います。 |
| (司会)食餌制限については、様々な食品を含む現代の食生活の中で、特定の食品とアトピー性皮膚炎の症状についての関連に気付くのは難しい点もあるかと思いますが、ある程度症状との関連に気付いた食品については先生方の指導をうけて豊かな食生活を送る必要があると感じました。ありがとうございました。次回はアトピー性皮膚炎の住環境についてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。 |
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