第2回アトピー座談会
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| 「アトピー性皮膚炎の診断基準」 |
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出席者
森田皮フ科クリニック院長 森田 茂
皮フ科森田クリニック院長 寺西好治
皮フ科森田クリニック医師 安藤葉子
森田皮フ科クリニック婦長 横山正子(司会)
皮フ科森田クリニック婦長 日置美幸
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【要約】
1)アトピー性皮膚炎の診断基準による定義は、「良くなったり悪くなったりを繰り返す痒みのある湿疹が特徴的に分布し多くの患者さんはアトピー素因をもつ。」です。
2)アトピー素因とは「喘息・鼻炎などのアトピー疾患の人が家族にいたり、自分が罹っていること」と、「IgE抗体を作りやすい性質」をいいます。
3)アトピー性皮膚炎の診には上記の診断基準を満たす事と同時に、アトピー以外の他の湿疹との鑑別をしっかりする事が重要です。 |
(司会)本日はお集りいただきありがとうございます。今回はアトピー性皮膚炎の診断基準と鑑別診断について御討論をお願いしたいと思います。 |
(森田)日本皮膚科学会では2000年5月のアトピー性皮膚炎の治療・ガイドラインでアトピー性皮膚炎の診断基準を提唱していますがそれについて説明して下さい。 |
(寺西)まずアトピー性皮膚炎の定義というか概念についてですが「増悪・寛解をくりかえす掻痒のある湿疹を主病変とし、患者の多くはアトピー素因を持つ」としています。アトピー素因については「喘息・鼻炎などのアトピー疾患の家族歴・既往歴があること、またはIgE抗体を産生しやすい素因」を定義しております。そして診断基準についてですがアトピー性皮膚炎には重要な3つの特徴をあげております。すなわち1)掻痒があること、2)特徴的な皮疹とその分布、3)慢性反復性の経過をとるということです。
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(司会)皮疹の分布について目安はありますか。 |
(寺西)だいたい乳児期では2ケ月以上続く湿疹が頭・顔から始まり、体や腕・脚にできてきます。また鳥の肌のようにざらざらしたいわゆるアトピックスキンが主として背中・腰の皮膚にみられます。 |
(司会)この時期の赤ちゃんの湿疹がアトピーかどうかよく問かれますがいかがでしょうか。 |
(森田)アトピーであるかどうかは先程のアトピックスキンがあるかどうか、家族にアレルギーの人がいるかどうか、本人が他のアレルギーの病気があるか、ということが参考になると思います。先ほど寺西先生が説明されたアトピー素因のことですが。 |
(安藤)私も赤ちゃんの皮疹と参考所見を考えて「アトピーの素因がありそうだからアトピー性皮膚炎」とか「はっきりしないから乳児湿疹」とか診断します。 |
(寺西)次に幼小児期では首やひじ・ひざに強く湿疹がみられます。思春期から成人期にかけては顔や首・胸・背中などの上半身に強く湿疹がでる傾向があります。 |
(司会)だいたい今のお話でアトピー性皮膚炎のおおまかな所は分かりましたが何か他に参考になる検査などはありますでしょうか。 |
(森田)第1回アトピー座談会で詳しく説明した血清IgE値の上昇や各種抗原の皮内反応や貼付試験(パッチテスト)なども参考になると思います。 |
(安藤)話は先程の赤ちゃんの診断の所での話になりますが一般にアトピーと区別すべきあるいは鑑別すべき疾患は何が考えられますか。 |
(寺西)鑑別診断として重要なのは何といっても「夏のあせも」と「アトピーとまでは診断できない乳児湿疹」、それと乳児の脂漏性湿疹ですね。あせもは小水疱と紅斑が多発していて鑑別がしやすいと思いますが乳児湿疹の鑑別はむずかしい。アトピーの典型である1)関節屈側を中心とした湿疹の分布がないこと、2)アトピックスキンがないこと、3)年令的に3才以下であること等の所見があり、しかもアトピーとは診断しきれない場合を一応乳児湿疹として診断しています。従ってその中には将来アトピーになってくる赤ちゃんも含まれてはいます。もちろん乳児湿疹だけで3才ぐらいになると治ってしまう赤ちゃんも多数いるわけです。また乳児の脂漏性湿疹は頭・顔、特に鼻の周りや耳の後ろ・首などを中心にしたいわゆる脂漏部位によくみられる湿疹で、生後1〜2ヶ月からみられ湿疹も脂っぽいカサブタやフケが付着していますので、これは鑑別しやすいと思います。生後6ヶ月ぐらいまで続いて治ります。前にもふれましたが乳児期の湿疹を全てアトピーと診断するのは問題があり、過去にもそれで学会等が集計している統計データがおかしくなった事があったと思います。もちろんアトピー性皮膚炎の統計データにアトピー以外のデータが多数混入したらその統計データは信用できなくなってしまいますから。その意味でも診断基準を明確化して厳しく適用する必要が出てきて、このグローヴァル・スタンダードとも言うべき診断基準になったと思います。アトピーの診療をされている先生方も事の重要性をしっかり認識してしっかりと診断および鑑別診断をしてほしいですね。 |
(森田)アトピー性皮膚炎の場合アレルギーがあるせいかいろいろな物質に感作されやすいという点もありますし、アトピーにかぶれが重なっているということも多くありますのでこの点もふまえて検査をして治療をすることが大切ですね。 |
(安藤)全く同感です。 |
(司会)今回はアトピーの診断基準と鑑別診断についてわかり易く説明いただき、ありがとうございました。次回は成人型アトピー性皮膚炎についてお話を伺いたいと思います。 |
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