今月のトピックス
「頭シラミと毛ジラミ」
【要約】
1)頭シラミと毛ジラミは種類が違い、頭シラミは頭髪から頭髪へ直接感染し、毛ジラミは陰毛から陰毛へ直接感染する。
2)治療はスミスリンシャンプーと目の細かい櫛で梳くこと。
3)予防としてはタオル・シーツ・肌着などを良く洗う、共用しないこと。
4)家族内感染に注意する。
1)はじめに
  最近子供たちの間で頭シラミが流行っています。プールや学校・保育園などで感染ってくる事が多く、問題になっております。一方毛ジラミも少しづつ増えているようです。毛ジラミは一種の性病です。よく頭シラミと毛ジラミを混同している方が見えますが、全く別物ですので間違えないようにしてください。
2)頭シラミ
  主に子供の頭に付くのを頭シラミと言います。頭シラミは頭髪から頭髪への直接感染が多く、タオルやシーツ等でも感染することもあります。それが理由でプールや学校などで大発生します。またプールで感染されて来たお子さんが家庭内で家族に感染すこともよくあります。最近では学校やプールでも気をつけていて、プールに入る前に皮膚検診をして頭シラミ・ミズイボ・トビヒのあるお子さんは入らないように指導している所も出てきました。症状のないお子さんもありますが痒みやフケなど湿疹を併発することもあります。頭髪の先から1/3ぐらいのところに白い卵が固着しており指でしごいても動きません。これがフケとの鑑別点になります。この付着物を顕微鏡で観てみると卵かどうかはっきりします。またこの頭シラミは後述の毛ジラミとは全く虫の種類も習性も違い、頭シラミは頭髪から頭髪へ、毛ジラミは陰毛から陰毛へしか感染らないという変な特性があります。ですから「大人の毛ジラミが子供の頭髪へ感染った」ということはありません。
3)毛ジラミ
  毛ジラミも最近他の性病の増加と伴に少しづつ増えているようです。毛ジラミは本来の性病ではありませんが、陰毛から陰毛への直接感染が多いため「隠れたる性病」と言われています。陰部の軽い痒みと毛根部の白い付着物(虫体の隠れている所)が特徴です。卵がはっきりせず虫体も見つけにくいためなかなか診断しづらいのも本当です。症状としては痒みは少ないが時に掻破により湿疹化することがあります。また下着に点状の黒いシミ(毛ジラミが出す血糞による)が付くのが特徴です。
4)予防と治療法
 予防法や治療法は頭シラミ・毛ジラミとも同じですが、特に頭シラミは小学校やプールで急激に蔓延しますので、各自気をつけていて、おかしいと思ったら早く専門医に診てもらって適切な治療を受ける事が重要です。この時期に適切な対処をしないと学校やプールの仲間に多数感染っておおごとになり周囲から非難されかねません。
 治療法はスミスリンシャンプーという薬を使います。これは一種の殺虫剤で、シラミの虫卵が孵化して成虫になって次の虫卵を生む前に殺虫してしまう薬です。虫卵には効果はありません。このシャンプーを入浴時に患部(毛髪・陰毛等)につけて10分ほどたったら普通のシャンプーで洗い流します。これを2〜3日に1回繰り返します。また柘植櫛等の目の細かい櫛で頭髪を梳いてやり卵や成虫をできるだけ減らしてやるのも必要です。治療の効果は虫卵の有無で効果を見ますが、普通完全になくなるまでには1ヶ月くらいかかります。結構しつこい病気です。
 また家族内感染を起こしやすいので家族全員の検診をして、感染している家族は同時に治療する必要があります。予防法は家族内感染の予防としての話になりますが、タオル・シーツ・肌着などをよく洗う、共用しない等が重要です。もちろんプールなどは休みましょう。