今月のトピックス
「あせもと汗疹性湿疹」
【要約】
 普通「あせも」と言われているのは「汗疹性湿疹」の事であり水泡部が炎症を起こし、紅斑や痒みがある。治療よりも予防が大切で特に赤ちゃんや小さいお子さんには、
@頻繁に汗を拭いてやる、A涼しくする、B汗を吸収しやすい服を着せて、汗で濡れたらこまめに着替えさせる、が大事。
1)はじめに
 これから蒸し暑い時期がやってまいります。この時期に汗が排出しきれず皮膚の下に溜まって小さい水疱がたくさんできるのを汗疹(あせも)といい、それがひどくなって湿疹になったのを汗疹性湿疹といいます。
2)汗疹(あせも)
 暑さによって汗がたくさん出た場合、その汗が排出しきれずに角質層内に溜まり小水疱になる場合を汗疹(あせも)といいます。ただこの状態だけなら水泡部に炎症による紅みもなく痒みもありませんので白色汗疹という場合もあります。後述のごとく本来はこれを汗疹(あせも)という事をよく理解して下さい。
3)汗疹性湿疹
 これは前述の汗疹から炎症を起こして湿疹になったものを言います。殆どの人はこれを「あせも」と言いますが、あくまでこれは「汗疹性湿疹」であって、前述の汗疹が本当の「あせも」です。湿疹である以上水泡部を中心に紅斑と痒みがあります。この水泡を中心にした炎症があるかどうか(紅斑・痒みがあるかどうか)が単なる「汗疹(あせも)」なのか「汗疹性湿疹」なのかの鑑別点になります。
4)治療法
 汗疹の場合は2〜3日で水泡が破れて乾いて鱗屑(カワがめくれる事)になって治ります。この場合には放置しておいてもかまいませんし、鱗屑が気になるならサリチル酸など角質層を溶かす物質が入った外用薬を用いる場合もあります。ただ基本的には汗疹は炎症を起こしていないので治療の必要はありません。
 さて汗疹性湿疹の場合には炎症があり紅斑や痒みがあるので、湿疹としての治療が必要です。治療法はステロイドあるいは非ステロイドの外用薬と痒みを止めるための抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤の内服薬を使用します。抗アレルギー剤を何故使うのかは、汗疹が汗疹性湿疹になる、湿疹化する過程で何らかのアレルギー反応があるのではないかという意味からです。
5)予防法
 前項で治療法について書きましたが実は治療法よりもこの予防法の方が大事であり有効です。特に赤ちゃんや小さいお子さんの汗疹性湿疹はお母さんの手入れ次第です。頻繁に汗を拭いてやったりシャワーを浴びさせたり、あるいは濡れたタオルで拭いてやるだけでも良いのです。これだけでかなり違ってきます。あとは涼しくすること、汗を吸収しやすい薄い綿の服を着せて汗を吸収させてやる事も大切です。服が汗で濡れたらこまめに着替えさせましょう。